憧れのフライトナースになりたい!最短の道・仕事内容・必要な資格など丸わかり

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「フライトナース」とは、ドクターヘリに搭乗して、救急現場にいち早く駆けつけ、患者さんの命を救う看護師のことです。

「フライトナース」とは、ドクターヘリに搭乗して、救急現場にいち早く駆けつけ、患者さんの命を救う看護師のことです。

フライトナースは高い救急看護のスキルや予測力、柔軟な対応力、テキパキ仕事をするスピード、リーダーシップと協調性、コミュニケーションスキル、乗り物酔いをしない体質を持っている必要がありますので、看護師の中でも選ばれし存在と言えるでしょう。

「フライトナースに憧れている!」、「フライトナースになりたい!」という看護師さんは、ドクターヘリのある病院の救急部門で働きましょう。

そして、救急看護の経験を積みながら、フライトナースの仕事に役立つ資格を取得し、フライトナース委員会の選出基準を満たして、病院内でフライトナースに選出される必要があります。

フライトナースになれば、救急車の搬送では救えない患者さんの命を救うことができ、救急医療の最前線で働くことができます。

Photo: http://paducahlife.com/day-life-taking-flight

フライトナースとは?

フライトナースとはドクターヘリで患者の元に急行し、医師とともに救急医療をする看護師です。Photo: http://nurseslabs.com/5-nursing-adventure-jobs/

フライトナースとは、医師(フライトドクター)と共にドクターヘリに搭乗して救急現場へ向かい、患者さんに救急医療を行う看護師のことです。

フライトナースがドクターヘリで現場へ急行することで、患者さんにいち早く救急医療を提供することができ、患者さんの命を救うことができるのです。

ドクターヘリとは救急医療用の医療機器を装備し、患者さんを搬送出来るようにしてあるヘリコプターのことで、救急車のヘリコプター版と考えると良いでしょう。

ただ、救急車との大きな違いは、医師と看護師が乗っていることです。ですからドクターヘリは、空飛ぶ救急車であり、空飛ぶ救急初療室と言えるのです。

ドクターヘリの出動要請があると、フライトナースは医師と共にドクターヘリで出動し、患者さんのもとへ急行します。

山間部や農村部などの僻地では、救急車が到着するまで時間がかかったり、搬送先までの移動時間がかかるなど問題があり、救える命が救えないという問題がありました。

しかし、ドクターヘリが出動することによって、初療までの時間が大幅に短縮され、患者さんの命を救うことが出来ているのです。

フライトナースはドクターヘリで空を飛んで患者さんのもとに駆けつけ、重症の患者さんを救う救急医療・救急看護のスペシャリストと言えるでしょう。

フライトナースの仕事内容

フライトナースの仕事は迅速な出動から初療、そして患者の搬送まで多岐にわたります。

フライトナースは、当番でない日や要請がない時は救命救急センターで働いています。

当番日は必ず物品のチェックを行い、要請があると素早くドクターヘリに乗り込み、機内で情報収集をし、現場に到着したら医師と協力して初療を行います。

そして、現場での初療が終わったら、受け入れ先の医療機関へ搬送することが、フライトナースの仕事になります。

通常は救命救急センターで勤務

フライトナースは、通常はドクターヘリを持っている病院の救命救急センターで働いています。

フライトナースはドクターヘリの搭乗専門というわけではありません。通常は救命救急センターで働いているのです。

また、ドクターヘリを持つ救命救急センターに、フライトナースは1人だけというわけではありません。

たいていは救命救急センターで働く看護師の中から510人ほどがフライトナースとして選出されていて、当番制でその日のフライトナースを担当するようになっています。

そのため、フライトナースとして働くのは月36回程度なのです。

そして、フライトナースの当番でない日は救命救急センターで一般の看護師と同じ仕事をしています。

フライトナースの当番の日も、消防や他院からドクターヘリの出動要請がない限り、救命救急センターでフリー業務を行っているのです。

物品のチェックは欠かさない

フライトナースの当番日は、すぐに出動できるようにフライトスーツを着用してフリー業務を行います。

また、出動時に持っていく物品のチェックを欠かすことはできません。

物品チェックは、いつでも出動できるようにするため、また現場でスムーズに治療を行うために、とても重要なことなのです。

病院内での治療なら、足りない物品があっても、すぐに補充することができます。

たとえ初療室や救命救急センター内にその物品がなくても、だれか手が空いているスタッフが薬剤部や中央材料室に走って取りに行けばOKです。

でも、ドクターヘリで出動して、実際に患者さんの治療をする際に「あ!あの物品がない!」という事態になったら、足りない物品を補充する術はありませんので、患者さんの命を救うことは出来ません。

そのため、フライトナースの当番日には、必ず出動時に持っていくべき物品があるかどうかをチェックすることが、勤務の最初にすることなのです。

要請があるとすぐに出動

フライトナースはドクターヘリの出動要請があったら、すぐにヘリに乗り込まなくてはいけません。

できるだけ早くドクターヘリに乗り込むことが、患者さんの命を救うことにつながるのです。

ドクターヘリは出動要請が来てから、3分以内に離陸するのが理想とされています。

救命救急センター内でフリー業務を行っているフライトナースは、ドクターヘリの出動要請が来たら、すぐにフリー業務を止めて、必要な物品が入ったバッグを持って、ヘリポートへ駆けつけて、ヘリに乗り込みます。

ドクターヘリは「防ぎ得る外傷死」(Preventable Trauma Death: PTD)を減らすため、また生命の危険が切迫している患者さんを救うためのものですから、フライトナースは出動要請の一報を受けたら、「食事中だから、ちょっと待って」とか「今、フリー業務で忙しいから無理」と言うことはできません。

また、ドクターヘリの要請回数は日によって異なり、当番日でも1回も要請がないこともあります。一方で、1日に34回も要請があって出動することもあります。いずれにせよ、フライトナースはいつどんな時でもすぐに出動できるようにしておく必要があるのです。

◆「防ぎ得る外傷死とは」
防ぎ得る外傷死(Preventable Trauma Death: PTD)とは、外傷を負った後に適切な処置を受けることができなかったために死亡した症例のことです。外傷後速やかに気道確保や胸腔穿刺などの呼吸管理や静脈路を確保しての輸液蘇生など標準的な処置を行えば死亡しなかった症例は防ぎ得る外傷死に分類されます。

機内で情報収集

フライトナースはドクターヘリに乗り込んだら、患者さんの情報収集を行います。

この情報収集をしっかり行ってアセスメントをし、同乗している医師と治療方針などをきちんと打ち合わせしておくことが、現場での治療をスムーズに、スピーディーに進めるための重要なポイントなのです。

病棟に入院してくる患者さんは、一通りの検査を受け、診断がついている人ばかりです。

また、救急搬送されてくる患者さんも、病院内で救急隊からの情報を得ることができます。

でも、ドクターヘリに乗っているフライトナースは、出動要請が来たら必要なものを持ってヘリポートまで走らなくてはいけませんから、患者さんの詳しい状況やバイタルサインなどの情報を聞いている暇はありません。

そのため、フライトナースは離陸してからドクターヘリの中で情報収集とアセスメントを行うのです。

そして、医師と治療方針を打ち合わせて、必要となると予想される医療器具や薬剤を準備しておきます。

現場で医師と協力し初療をする

現場に到着したら、フライトナースは医師と協力して初療を行います。

病棟とは違う限られた環境、物品の中でフライトナースは気管挿管の介助など医師の診療の介助をしつつ、静脈ラインを確保したりして、初療を進めていきます。

また、現場にいる家族や救急隊からの情報収集もフライトナースの仕事です。

医療機関への搬送

現場での初療が終わったら、次はドクターヘリで患者さんを医療機関へ搬送します。

この時、搬送するのはフライトナースが所属している病院(ドクターヘリの基地病院)とは限りません。

近隣の病院で受け入れ可能であれば、そちらに搬送することもあります。

患者さんを乗せて離陸した後は、機内でも診療の介助を行ったり、看護記録を記入したり、患者さんの所持品を管理するなど、休む暇はありません。

また、同乗のフライトドクターが行うこともありますが、受け入れ先の病院へ連絡して、患者さんのバイタルサインや行った処置などを報告し、ドクターヘリが到着する前に準備しておいて欲しいもの伝え、受け入れ態勢を整えておくように要請することもフライトナースの仕事です。

フライトナースの役割

フライトナースの役割は、患者さんの救命と家族看護、現場での調整の3つがあります。

フライトナースの役割は、患者さんの救命と家族看護、現場での調整の3つがあります。

この3つの役割をフライトナースが担うことで、混乱なくスムーズに現場での治療を進められ、患者さんの命を救うことができるのです。

患者さんの救命

フライトナースの役割は救急医療を実践して、患者さんの命を救うことです。

フライトナースは、同乗するフライトドクターと協力して、患者さんの命を救うための治療を行います。

フライトナースは、ドクターヘリに搭乗して現場にいち早く到着して、適切な医療を提供することで、救急車で搬送した場合は救急車の中で消えてしまう命を救っています。

フライトナースは従来の救急医療体制では救えなかった命を救う重要な役割を担っているのです。

家族看護

フライトナースは家族看護を行い、家族のケアをする役割を担っています。

救急医療の緊迫した場面でも、家族対応・家族看護はとても重要なものです。

フライトナースが家族のケアをすることで、患者さんの治療がスムーズに進むことがありますし、家族が落ちてついて正しい判断をすることが出来るようになるのです。

自分の家族が急に倒れたり大けがをして、ドクターヘリを呼ぶ事態になったら、誰でも動揺しますし不安でいっぱいになるものです。

そんな状態でドクターヘリが到着し、患者さんの治療が突然始まったら、家族はどうしたら良いのか、何をすべきなのかが分らずに、パニック状態になってしまいます。

そのため、フライトナースは患者さんの処置が落ち着いたら、または救急救命士に仕事を代わってもらえるようだったら、家族に声をかけて、家族看護をする必要があります。

家族にとっては、看護師に話しかけてもらうだけでも、落ち着くきっかけになりますし、看護師が患者さんに関する情報を聞き出すことで、治療に役立つ情報を得られることもあります。

また、「○○病院に搬送予定なので、信頼できる人に連絡して、その病院まで来てもらってください」など、家族に役割を与えることで、家族は冷静になって適切な行動や判断をすることが出来るのです。

現場での調整

フライトナースは、現場での調整役を担います。

フライトナースが現場でリーダーシップを持って、救急隊との調整、搬送先の病院との調整を行うことで、患者さんの治療が進み、患者さんの命を救うことが出来るのです。

ドクターヘリが救急車と落ち合うポイントであるランデブーポイントに到着した後は、救命処置を行いつつ、救急隊からの情報収集をしなければいけません。

また、ドクターヘリにはフライトナースとフライトドクター1人ずつしか乗っていないので、救急隊にも救命処置を手伝ってもらう必要があることも多く、そのための指示も行わなくてはいけません。

さらに、離陸後は搬送先の病院と連絡を取って、搬送する患者さんのバイタルや状態を報告したり、準備してもらう薬剤や医療機器を伝え、必要であればCTMRIなどの検査や緊急手術の予約などを入れてもらったりします。

フライトナースがこのような調整役を担うことで、現場が混乱せずに、スムーズな治療・搬送ができるのです。

フライトナースに必要なスキル

フライトナースに要求される6つのスキル。Photo: http://www.stepbystep.com/how-to-become-a-careflight-nurse-31779/

フライトナースに必要なスキルは、救急看護の高いスキルと予測力、柔軟な対応力、テキパキと仕事をするスピード、コミュニケーションスキル、乗り物酔いしない体質の6つです。

これらのスキルを持っていないと、フライトナースとして働くのは難しいのです。

これらのスキルを持っている必要があるフライトナースは、看護師の中でも選ばれし存在であると言えるでしょう。

救急看護のスキル

フライトナースに必要なスキルは、救急看護のスキルです。

これは、フライトナースの基本中の基本であり、高い救急看護のスキルがないと、フライトナースになることは絶対にできません

ドクターヘリに搭乗するスタッフは、ヘリコプターのパイロットと整備士、フライトドクターとフライトナースの4名だけです。

つまり、医療職者は医師1名と看護師1名の2名だけになります。

そのため、「この処置の介助をしたことがないから出来ません・・・。」とか「この疾患の初療の経験がないので、どんな物品を用意したら良いかわかりません。教えてください。」ということは許されないのです。

病院内であれば、「処置の介助ができない」、「経験がない」という場合でも、先輩看護師にフォローしてもらったり、代わってもらったりすることが出来ます。でも、フライトナースは誰も頼ることが出来ないのです。

ですから、フライトナースはどんな疾患でもどんな処置でも対応できるような高い救急看護のスキルを持っている必要があるのです。

予測力

フライトナースは、予測力が要求されます。

患者さんの情報からどんな状態なのか、どんな可能性が考えられるのかを予測をすることで、患者さんの初療をスムーズに進めることができるのです。

病棟の看護師は色々な検査データや医師の診断、その他の様々な情報を持って患者さんの看護に当たりますが、フライトナースは救急隊からの断片的な情報しかない状態で、患者さんの初療に当たらなくてはいけません。

そのため、フライトナースは情報をもとに患者さんがどんな状態なのか、どんな可能性が考えられるのかを予測しておくことで、機内で必要なものを準備しておくことができます。

また、ある程度事前に予測しておくことができれば、実際に現場に到着した後も、落ち着いて行動でき、患者さんの救命処置をスムーズに行うことができるのです。

柔軟な対応力

フライトナースには、柔軟な対応力も必要です。

フライトナースはどんな事態にも対応できる柔軟性を持っていないと、現場到着後に頭が真っ白になって慌ててしまい、救命処置をスピーディーに行うことが出来ないことがあるのです。

フライトナースは出動要請が来たら、詳しい情報を持たずにドクターヘリに乗り込みます。

また、機内で収集する情報は、救急隊からの断片的なものですし、音声の情報のみですので、視覚的な情報はありません。

そのため、機内で情報収集をして、その情報をもとにしっかりアセスメントをして、医師と打ち合わせを入念にしていても、実際に現場に到着したら、予測していたものとは全然違う状況と言うこともあるのです。

そんな時に、「情報と全然違う!どうしよう?何をしたら良いのだろう?」と固まって、なかなか動けないでいると、患者さんはどんどん悪化していきます。

そのため、フライトナースはどんな事態にも柔軟に対応できる必要があるのです。

テキパキと仕事をするスピード

フライトナースはスピーディーに仕事をしなければいけません。

マイペースに仕事をしていたら、患者さんの命を救うことが出来ません。

フライトナースは、出動要請があったら3分以内にドクターヘリに乗り込む必要がありますので、搭乗までの準備に時間をかけていられません。

また、現場に到着したら、救命処置を素早く行う必要があります。

CPA(心肺停止)の患者さんは、蘇生の開始が1分遅れるごとに救命できる確率は710%も下がります。

外傷の患者さんは受傷後1時間以内に手術室に入室すれば救命率が上がる(ゴールデンアワー)とされています。

これらのことからも分るように、フライトナースは患者さんの命を救うために、スピーディーにテキパキと仕事をしなければいけないのです。

リーダーシップと協調性

フライトナースは「リーダーシップ」と「協調性」が必要になります。

フライトナースは現場で医師や救急隊、警察と連携を取って調整しながら救命処置を行いますので、リーダーシップを取る必要があります。

ただ、リーダーシップを取れるといっても、暴走するようなリーダーではいけないのです。

リーダーシップを取りつつも、現場にいる人々と協力して働かなければいけませんので、協調性も求められます。

コミュニケーションスキル

フライトナースはコミュニケーションスキルも求められます。

フライトナースの役割は、救命処置をするだけではありません。家族看護や現場での調整もフライトナースの役割なのです。

家族看護を行うには、高いコミュニケーションスキルが必要になります。

また、現場での調整も、救急隊や搬送先の病院と連絡・報告が必要ですので、コミュニケーションを密に取らなくてはいけません。

そのため、フライトナースはコミュニケーションスキルが必要なのです。

乗り物酔いをしない体質

フライトナースには乗り物酔いをしない体質も必要です。

あなたは、ヘリコプターに乗ったことはありますか?ヘリコプターは想像以上に揺れる乗り物です。

いくら救急看護の高いスキル、予測力や柔軟な対応力、スピード、コミュニケーションスキルがあっても、フライトナースがドクターヘリに乗った時に毎回乗り物酔いをしていては、仕事になりません。

飛行機に乗っても乗り物酔いしないという人でも、ヘリコプターに乗ると酔ってしまうという人も珍しくありません。

また、ヘリコプターは天候の影響を受けやすく、天候によって大きく揺れることもよくあります。

揺れるヘリコプターに乗っても、乗り物酔いをしない体質がフライトナースには求められるのです。

フライトナースになる方法

どうしたらフライトナースになれるのでしょうか。

フライトナースになるためには、まずはドクターヘリのある病院の救急部門で働かなくてはいけません。

そこでフライトナースとして働く必要なスキルを身につけるために、スキルアップに励みましょう。

そして、ドクターヘリのある病院でフライトナースに選出されれば、晴れて憧れのフライトナースになって、ドクターヘリで空を飛び回り患者さんの命を救うことが出来るのです。

ドクターヘリのある病院の救急部門で働く

フライトナースになるためには、まずドクターヘリを持っている病院に入職して、その病院の救急部門で働きましょう。

ドクターヘリのある病院の救急部門で働くことが、フライトナースになるための最初の、そして最も重要な一歩になるのです。

ドクターヘリは、20167月時点で38道府県46機が運用されていて、ドクターヘリを持っている病院は48病院あります(茨城県と三重県は2病院で1機所有)。

この48病院の救急部門で働くことが、フライトナースへの第一歩となります。

また、ドクターヘリを持っている病院の救急部門で働けば、フライトナースの先輩看護師と一緒に働くことが出来ますので、フライトナースの仕事をより身近に感じることが出来ますし、どうすればフライトナースになれるかのアドバイスを貰うことも出来ます。

スキルアップをする

フライトナースになるためには、スキルアップをする必要があります。

まずは救急看護の経験を積みながら、フライトナースで役立つ資格を取得していきましょう。

そして、フライトナース委員会の基準を満たすことを目標にしてください。そうすれば、フライトナースとして働くために必要なスキルを身につける事ができます。

救急看護の経験の積む

フライトナースになるには救急看護の経験を積まなくてはいけません。

どんな患者さんの初療にも対応できるようなスキルを身につけないと、フライトナースとして働くことができないのです。

フライトナースになれるだけの救急看護のスキルを得るには、色々な症例の初療を経験しなければいけません。

初療に入ってスキルアップしたいことを積極的にアピールして、どんどん救急看護の経験を積んでいきましょう。

また、先ほどご紹介した7つの「フライトナースに必要なスキル」を身につける事を意識しながら働くと良いでしょう。

フライトナースに役立つ資格を取得する

フライトナースに役立つ資格を取得してスキルアップすることで、フライトナースに必要な知識・技術を身につける事ができます。

【フライトナースに役立つ資格】

●ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)プロバイダー
≫参考:ACLSプロバイダーコース(G2010)|コースのご案内|日本ACLS協会
心停止や重症不整脈、急性冠症候群、脳卒中の診療や治療法を学んで、二次救命処置スキルを身につけることができる資格です。

このACLSで学ぶ診療や治療法が救急医療の基礎となります。

ACLSプロバイダーは2日間(約15時間)の研修を受けて、筆記試験と実技試験に合格すると、資格を取得できます。

●PALS(Pediatric Advanced Life Support)プロバイダー
≫参考:PALSプロバイダーコース(G2010)|コースのご案内|日本ACLS協会
PALSプロバイダーはACLSの小児版と言える資格です。

目の前の乳児や幼児の呼吸、循環系に関わる緊急病態や心停止の評価と管理を学ぶコースになります。

PALSを受講すれば、重症の疾病や外傷の子どもに対する救命や治療のスキルを得ることが出来ます。

PALSプロバイダーの資格を得るには、2日間の研修を受けて、筆記試験と実技試験に合格する必要があります。

●JPTEC(Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care)プロバイダー
≫参考:JPTEC協議会
JPTECプロバイダーは、日本救急医学会公認の病院前外傷教育プログラムです。

病院に到着する前の現場における観察や処置を見落としなく迅速に実施し、できるだけ早く病院に搬送して、「防ぎ得る外傷死」(Preventable Trauma Death: PTD)の撲滅を目的としています。

JPTECプロバイダーは1日間のコースを受講し、筆記試験に合格すれば資格取得ができます。

実技試験はありませんが、コース中に実技達成度評価というスキルチェックを行います。

●JNTEC(Japan Nurse Trauma Evaluation and Care)プロバイダー
≫参考:外傷初期看護セミナー(JNTEC)
JNTECプロバイダーは外傷患者の特徴や病態を知り、確実なアセスメントをして、適切な診療介助と看護をすることで、「防ぎ得る外傷死」を減らすことを目的としている資格です。

JNTECプロバイダーはテキストとeラーニングで事前学習を行い、プレテストに合格した後に、1.5日の実技コースを受講する必要があります。

●ITLS(International Trauma LifeSupport)アドバンスコース
≫参考:itls-japan-web | Advanced Course
ITLSアドバンスコースは、資格ではなくコース名になりますが、フライトナースの仕事にとても役立つものです。

ITLSは病院搬入前の外傷処置教育訓練コースですが、JPTECは「日本の法律内で行うことができる実践的なもの」であるのに対し、ITLSは「国際的な基準をもとにしたプログラム」になっています。

ですので、ITLSで学んだものすべてを日本で実践できるというわけではありませんが、より深い知識・技術を身につける事ができるという違いがあります。

ITLSアドバンスコースは2日間わたって開催され、筆記試験と実技試験に合格する必要があります。

●第3級陸上特殊無線技士(公益財団法人 日本無線協会)
3級陸上特殊無線技士は医療系の資格ではなく無線の取り扱いに関する資格で、この資格を持っていると、警察無線や消防無線などの基地局、移動局、携帯局の技術操作が出来るようになります。

フライトナースは現場の救急隊や警察と無線で連絡を取り合いますので、第3級陸上特殊無線技士の資格を取得しておくと役に立ちます。

病院によっては、この資格取得をフライトナースの選出基準に加えているところがあります。

3級陸上特殊無線技士は、6月・10月・2月の年3回行われる国家試験に合格するか、養成課程を修了することで資格を取得することができます。

フライトナース委員会の選出基準を満たす

フライトナースになるためには、フライトナース委員会の基準を満たすようにしましょう。

日本航空医療学会のフライトナース委員会は以下の3つをフライトナースの選出基準としています。

(1)看護師経験5年以上、救急看護師経験3年以上または同等の能力があること。またリーダーシップが取れること。

(2)ACLSプロバイダーおよびJPTECプロバイダーもしくは同等の知識・技術を有す。

(3)日本航空医療学会が主催するドクターヘリ講習会を受講している。

フライトナースに選出される基準は病院によって異なりますので、必ずこのフライトナース委員会の基準を満たさないとフライトナースになれないという訳ではありません。

ただし、ほとんどの病院のフライトナースの選出基準は、フライトナース委員会の選出基準に独自の基準を加えたものにしていますので、フライトナース委員会の選出基準を満たすことがフライトナースになるために必要な条件となるのです。

フライトナースに選出される

フライトナースになるためには、病院内でフライトナースに選出される必要があります。

どんなに救急看護のスキルが高く、様々な資格を取得し、フライトナースの選出基準を満たしても、病院内でフライトナースに選出されないとフライトナースになることは出来ません。

フライトナースに選出されるためには、病院内の選出基準を満たし、救命部門の師長に推薦される必要があります

そのため、師長に推薦されるために、日ごろからフライトナースを目指していることを師長にアピールしておくと良いでしょう。

フライトナースの給料

フライトナースの給料は救命救急センターの看護師と同じです。Photo: http://www.mc.vanderbilt.edu/root/vumc.php?site=vanderbilt-nursing&doc=40369

フライトナースの給料は、救命救急センターで働く看護師と大きな違いがあるわけではありません。

看護師経験が10年のフライトナースの場合、平均年収500550万円、月収3035万円前後となります。

フライトナースになったからといって、特別に給料が上がるわけではないのです。

フライトナースになった場合、危険手当や特別手当がつくこともありますが、それでも大きな額ではありませんので、同じ病院の救命救急センターで働く看護師の給料とほとんど給料は変わりません。

それに、ドクターヘリは日中明るい時間しか飛ぶことができず、夜間は運航しませんので、フライトナースになると日勤が多くなり、夜勤手当が減ることもあります。

ただ、ドクターヘリを持っている病院は規模が大きな病院ばかりですので、看護師平均よりはやや高めの給料をもらうことは出来るでしょう。

フライトナースになれる病院リスト

フライトナースになるには、ドクターヘリを持っている病院に入職する必要がありますが、上でもお話ししたように、20167月時点で、ドクターヘリを持っている病院は38道府県に48ヶ所あります。 

 

都道府県(事業所)

基地病院

救急部門

1

北海道(道央ドクターヘリ)

手稲渓仁会病院(札幌市手稲区)

救命救急センター

2

北海道(道北ドクターヘリ)

旭川赤十字病院(旭川市)

救命救急センター

3

北海道(道東ドクターヘリ)

市立釧路総合病院(釧路市)

救命救急センター

4

北海道(道南ドクターヘリ)

市立函館病院(函館市)

救命救急センター

5

青森県

青森県立中央病院(青森市)

救命救急センター

6

青森県

八戸市立市民病院(八戸市)

救命救急センター

7

秋田県

秋田赤十字病院(秋田市)

救命救急センター

8

岩手県

岩手医科大学附属病院(盛岡市)

高度救命救急センター

9

山形県

山形県立中央病院(山形市)

救命救急センター

10

福島県

福島県立医科大学附属病院(福島市)

救命救急センター

11

茨城県(茨城県は2病院でドクターヘリ1機、輪番制)

国立病院機構水戸医療センター(茨城町)

救命救急センター

12

茨城県(茨城県は2病院でドクターヘリ1機、輪番制)

水戸済生会総合病院(水戸市)

 

救命救急センター

13

栃木県

独協医科大学病院(壬生町)

救命救急センター・集中治療室

14

群馬県

前橋赤十字病院(前橋市)

高度救命救急センター

15

埼玉県

埼玉医科大学総合医療センター(川越市)

高度救命救急センター

16

千葉県(千葉県北総ドクターヘリ)

日本医科大学千葉北総病院(印西市)

 

救命救急センター

17

千葉県(君津ドクターヘリ)

君津中央病院(木更津市)

救命救急センター

18

神奈川県

東海大学医学部付属病院(伊勢原市)

救命救急センター

19

山梨県

山梨県立中央病院(甲府市)

救命救急センター

20

長野県(信州ドクターヘリ佐久)

佐久総合病院佐久医療センター(佐久市)

救命救急センター

21

長野県(信州ドクターヘリ松本)

信州大学医学部附属病院(松本市)

高度救命救急センター

22

新潟県

新潟大学医歯学総合病院(新潟市)

高次救命災害治療センター(高度救命救急センター)

23

富山県

富山県立中央病院(富山市)

救命救急センター

24

静岡県(静岡県東部ドクターヘリ)

順天堂大学医学部附属静岡病院(伊豆の国市)

救命救急センター

25

静岡県(静岡県西部ドクターヘリ)

聖隷三方原病院(浜松市)

高度救命救急センター

26

愛知県

愛知医科大学病院(長久手市)

高度救命救急センター

27

岐阜県

岐阜大学医学部附属病院(岐阜市)

高次救命治療センター

28

三重県(三重県は2病院でドクターヘリ1機、輪番制)

三重大学医学部附属病院(津市)

救命救急・総合集中治療センター

29

三重県(三重県は2病院でドクターヘリ1機、輪番制)

伊勢赤十字病院(伊勢市)

 

救命救急センター

30

大阪府(大阪府ドクターヘリ、関西広域連合による共同運航)

大阪大学医学部附属病院(吹田市)

高度救命救急センター

31

和歌山県(和歌山県ドクターヘリ、関西広域連合による共同運航)

和歌山県立医科大学附属病院(和歌山市)

高度救命救急センター

32

兵庫県(三府県ドクターヘリ、関西広域連合による共同運航)

公立豊岡病院組合立豊岡病院(豊岡市)

救命救急センター

33

兵庫県(兵庫県ドクターヘリ、関西広域連合による共同運航)

兵庫県立加古川医療センター(加古川市)

救命救急センター

34

滋賀県(京滋ドクターヘリ、京都府もカバー、関西広域連合による共同運航)

済生会滋賀県病院(栗東市)

 

 

救命救急センター

35

徳島県(徳島県ドクターヘリ、関西広域連合による共同運航)

徳島県立中央病院(徳島市)_x0007_救命救急センター

 

36

高知県

高知医療センター(高知市)

救命救急センター

37

岡山県

川崎医科大学附属病院(倉敷市)

高度救命救急センター

38

広島県

広島大学病院(広島市)

高度救命救急センター

39

島根県

島根県立中央病院(出雲市)

救命救急センター

40

山口県

山口大学医学部附属病院(宇部市)

先進救急医療センター

41

福岡県

久留米大学病院(久留米市)

高度救命救急センター

42

長崎県

国立病院機構長崎医療センター(大村市)

救命救急センター

43

佐賀県

佐賀大学医学部附属病院(佐賀市)

高度救命救急センター

44

大分県

大分大学医学部附属病院(由布市)

高度救命救急センター

45

熊本県

熊本赤十字病院(熊本市)

総合救命救急センター

46

宮崎県

宮崎大学医学部附属病院(宮崎市)

救命救急センター

47

鹿児島県

鹿児島市立病院(鹿児島市)

救命救急センター

48

沖縄県

浦添総合病院(浦添市)

救命救急センター

 

また、宮城県の国立病院機構仙台医療センター(仙台市宮城野区) と東北大学病院(仙台市青葉区)が2016年秋に(2病院でドクターヘリ1機)、新潟県の長岡赤十字病院(長岡市)が201611月末に、鹿児島県の奄美大島の県立大島病院が201612月に導入予定になっています。

さらに、鳥取県の鳥取大学医学部附属病院は時期は未定なものの、ドクターヘリの導入準備を進めています。

まとめ

フライトナースは看護師として高いスキルを求められますが、救急医療の最前線でやりがいを感じながら働くことができるでしょう。

フライトナースに役立つ資格の中で「救急看護認定看護師」はご紹介しませんでした。救急看護認定看護師は、確かにフライトナースとして働くのに役に立つ資格です。

ただ、救急看護認定看護師の資格を持っていないと、フライトナースになれないというわけではありません。

認定看護師の資格を取るためには、6ヶ月以上の研修を受講して試験に合格しなければいけないので、最短でフライトナースになりたい場合は、救急看護認定看護師の資格取得を目指すと遠回りになってしまうでしょう。

「とにかくフライトナースになりたい」という人は、救急看護認定看護師の資格は取らずにフライトナースを目指したほうが良いと思います。

そして、フライトナースになってから、認定看護師になる必要性を感じたら、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?

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