[著者: 東奈津子 (看護師 / 社会保険福祉士). more.. ]
看護師のやるべき仕事は非常に多岐にわたるのですが、実際に日常業務で使う手技は意外と少ないと思いませんか。
内科なら採血、注射、点滴はお手のものですが、いまさら縫合介助と言われてもちょっと…なんてことになります。
そんななか、おしりの筋肉注射に慣れていないという人も少なくないようですね。
中殿筋はどこ?簡単な探し方
お尻の筋肉注射は、位置を見つけるのが大事です。
中殿筋に刺すのですが、場所が分かりにくいですね。
中殿筋は、4分3分法(しぶさんぶほう)で探します。
まずお尻の片側を4等分して、4等分の中心点から腰骨の端(腸骨稜 ちょうこつりょう)へラインを引きます。
そのラインを3等分した外側の1/3のゾーンに中殿筋があります。
中心点から腸骨稜にむけて45度の角度でたどっていって、そこの外側1/3です。
かなり広い領域が穿刺ポイントになります。
中殿筋はある程度の大きさがありますから、目で穿刺ポイントをはかってかまいません。
少しぐらいずれても、ちゃんと筋肉内に注射ができます。
しっかり刺しましょう
おしりの筋肉注射は、しっかり刺すことが大事です。
注射針によりますが、27Gならそのまま根元まで穿刺しましょう。
臀部は脂肪層が厚くて、たいていの人は20~30ミリ程度あります(もちろんもっとある人も!)。
ですからある程度は思い切って刺さないと筋肉まで届きません。
ありがたいことに臀部は痛覚点が少ないので、患者さんは痛みを感じることが少ない部位です。
さらに患者さんには穿刺場面が見えませんので、精神的に恐怖を覚えてパニックになることもほとんどありません。
安心して刺しましょう。
穿刺角度は90度。
- 刺した後に内筒を引いて血管に入っていないかを確認します。
- また患者さんに足先のしびれがないか尋ねて、神経に当たっていないか確認しましょう。
どちらかがあった場合は、いったん針を抜いてやり直します。
問題がなければそのままゆっくりと注入です。
機会を逃さず回数を重ねる
おしりの筋肉注射はやった回数が少なくて、苦手になってしまったという看護師はけっこういます。
かといって、おしりですから、同僚に「練習台になって」とも言いにくい場所です(笑)。
機会があれば積極的にやるようにしましょう。
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