[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more.. ]
看護師が保育園で働けるって知っていますか?
体の弱い子、アレルギーを持つ子、慢性疾患の子でも安心して保育園に通えるように、「0歳児が6人以上いる認可保育園」では、看護師1人を保育士1人としてみなすことが出来るんです。
「看護師として保育園で働けるなら働いてみたい!」と思っている看護師さんも多いと思います。
でも、あらかじめ保育園で働くメリット・デメリット、具体的な仕事内容、必要なスキル、求人を選ぶ時のポイントなどを知っておきましょう。
そうしないと、「イメージしてたものと違う」という事になりかねませんので注意が必要です。
良く理解して納得の上、自分の理想に合った保育園を選びましょう。
[wphtmlblock id=”1304″]
看護師が保育園で働くメリット・デメリット
看護師が保育園で働くメリットは、(1)日勤のみで日曜日が休日と決まっていること、(2)いつも子どもたちと触れ合いながら働けること、(3)医療行為がないので精神的に楽に働けること、(4)公立保育園で働けば公務員看護師になれること、(5)残業が少ないこと、の5つがあります。
また、保育園で働くデメリットは、(1)収入が少なめであること、(2)看護技術を忘れてしまうこと、(3)保護者対応が大変であること、(4)看護師は1人だけであること、という4つです。
あなたにとって、この5つのメリットが大きいのであれば、保育園はあなたに適した職場であると言えますし、デメリットを知っておくことで「こんなはずではなかった」という失敗を避けることが出来ます。
【メリット 1】 日勤だけでしかも日曜日は休み
看護師が保育園で働く1つ目のメリットは、完全に日勤だけの仕事で、しかも日曜日が休日であることです。
日勤だけの仕事で、日曜日が休日と決まっていたら、育児や家庭と両立させやすいですし、プライベートが充実します。
「日勤だけ」という求人はありますが、完全に日勤だけという仕事って意外と少ないのです。
日勤だけとしていても、クリニックの場合は診療時間によって夜21~22時まで働かなくてはいけない事があります。
また、介護施設や訪問看護ステーション、オペ室勤務ではオンコール体制を取っているところがたくさんあります。
でも、保育園の勤務は完全に日勤帯だけの勤務なんです。
看護師を配置している保育園は認可保育園が多く、認可保育園は開所時間が11時間と決められていますので、18~19時には保育園は閉まります。
保育園が閉まれば、そこで働く看護師の仕事も終了です。もちろん、夜間にオンコールで呼び出されることもありません。
また、認可保育園は日曜日はお休みになりますので、看護師も日曜日は必ず休日になります。
【メリット 2】 毎日、元気な子どもと触れ合うことが出来る
保育園で働くメリットの2つ目は、元気な子どもと触れ合うことが出来ることです。
子どもが好きな看護師さんが子どもと触れ合いながら働けば、仕事が楽しく思えますし、やりがいも感じられます。
看護師が配置される保育園は0歳児保育をやっているところですので、0歳から6歳までの子どもと触れ合いながら働くことが出来ます。
子どもが好きで小児科で働いてみたいと思っていた看護師もたくさんいますよね。でも、小児科への配属希望を出しても、人気が高くて配属希望が通らなかったという人もいるでしょう。
また、子どもは好きだけど、実際に病気の子どもを見ると可哀想でつらくなってしまい、小児科を断念したという人もいるはずです。
そういう人たちにとって、保育園で働くことは大きなメリットがあります。
元気な子どもたちと触れ合いながら働くことができますし、保育士さんを手伝いながら子どもたちと一緒に遊ぶことも出来るのです。
【メリット 3】医療行為がなくて精神的に楽
保育園看護師のメリットの3つ目は、医療行為がないので精神的に楽であることです。
保育園は基本的に元気な子どもを相手に働きますので、病院やクリニックのような医療行為を行うことはありません。
そのため、「1つでもミスしたら、子どもの命に関わるかも」などのプレッシャーを感じませんので、精神的に楽に働くことが出来るのです。
小児科は体重によって薬の量の細かな違いがありますので、薬の量を少しでも間違うだけで、子どもに大きな悪影響を与えてしまいます。
また、成人と比べて体力がないので、看護師の小さなミスが子どもに予想外の悪影響を及ぼすことがあります。
ですから、小児科の看護師は常に「些細なミスもしないように」とか「子どもの命を預かっている」などの精神的なプレッシャーを感じながら働くことになります。
その点、保育園は医療行為を行いませんので、気持ち的に楽に働くことができるのです。
【メリット 4】公立保育園なら公務員看護師になれる
保育園で働くメリットの4つ目は、公立保育園で働いたら公務員看護師になれることです。
公務員は待遇や福利厚生が良いですし、余程のことをしなければ、リストラや懲戒解雇になることはありませんので、身分が安定しています。
公務員看護師の場合、産休・育休はしっかり取れるのはもちろんですが、ボーナスも4ヶ月分前後とたっぷりありますし、年間休日は120日前後+夏季休暇・年末年始休暇を取ることができます。
看護師という職業自体、一般と比べると待遇や福利厚生は良いですし、身分も安定しているのですが、公立の保育園で働いて公務員看護師になれば、「鬼に金棒」なのです。
【メリット 5】残業が少なめ
保育園で働くメリットの5つ目は、残業が少なめという点です。
保育園の看護師はほとんど残業がなく、定時退勤することが出来ますので、プライベートを大切に出来ますし、育児や家事と仕事の両立もしやすいのです。
病棟では緊急入院があったり、患者さんが急変した場合は残業になります。また、クリニックでは患者さんが診療時間終了前にたくさん来た場合は残業になるでしょう。
保育園では、そのように突然仕事が増えるという事態はほとんどないのです。
園児が怪我などで病院をすぐに受診しなければならない場合は付き添う必要がありますが、そのような事態はまれで、基本的には保護者を呼んで受診してもらう事になりますので、保育園の看護師は残業は少なめです。
【デメリット 1】収入が少なめ
保育園のデメリットは、病棟勤務に比べて収入が少なめという点です。
保育園の勤務は日勤帯だけですので、夜勤手当がつきません。また、残業も少ないですので、残業手当もほとんどありません。
ですから、病棟勤務に比べると、保育園勤務は収入が少なくなってしまいます。
ただ、ほかの日勤だけの仕事と比べて保育園の給料が特別安いというわけではありません。
保育園看護師のお給料は、常勤で20~25万円というところが多いようです。
この額は、ほかの日勤だけの看護師求人と比べてみても、特に低いというわけではなく、クリニックや病棟の日勤常勤とほとんど変わりません。
【デメリット 2】看護技術を忘れてしまう
保育園で看護師が働くデメリットの2つ目は、看護技術を忘れてしまうことです。
保育園は医療行為がないので楽であるというメリットがあるのですが、そのメリットは看護技術を使わないために忘れてしまうというデメリットにもなり得るのです。
今まで培ってきた看護技術を忘れてしまえば、今後急性期病棟や訪問看護ステーションなどの医療行為が多く、的確な看護技術を要求される職場への転職が難しくなります。
保育園では採血や静脈注射、吸引、褥瘡予防などを一切行いません。
保育園に長年勤めていると、これらの看護技術のコツを忘れてしまい、コツや勘を取り戻すのに苦労するかも知れません。
【デメリット 3】保護者の対応が大変
保育園で看護師が働くデメリットの3つ目は、保護者の対応が大変であることです。
モンスターペアレントや保育園への要求が細かい保護者、保育園へのクレームが多い保護者が増えていますので、保育園で働くと保護者の対応にストレスを感じることがあります。
園内で子どもが怪我をしたり、急病になった場合は、保護者への状況説明や対処法の説明は看護師が行います。
その時に、明らかに保育園には責任がないのに「保育園が悪い!責任を取れ!」のようにクレームを言われてしまうと、精神的にドッと疲れてしまいます。
【デメリット 4】看護師は1人だけ
保育園の看護師のデメリット4つ目は、保育園には看護師が1人しか配置されないことです。
同僚の看護師がいないと、仕事の大変さを分かち合うことが出来ませんし、園長や保育士から看護師の仕事の重要性を理解してもらえないことがあります。
看護師として働いていると、看護師同士でしか分かり合えない苦労や愚痴がありますが、保育園ではそれを分かち合うことができず、モヤモヤしたり、ストレスが溜まったりする事があるのです。
また、看護師が保育園に配置されるようになったのはつい最近のことで、保育園での看護師の存在意義が確立されていない所もあります。
そういう所で働くと、保育士から「看護師の仕事は楽そうで良いなぁ」とか「保育士の仕事をもっと手伝ってくれないと困るんだけど」などと言われ、看護師の仕事に理解を得られず、保育園内で肩身の狭い思いをすることもあるのです。
保育園で働く看護師の仕事内容
保育園の看護師の仕事は、園児の健康管理です。
「園児の健康管理」と言っても、その仕事内容はとても幅広いものになります。
実際に保育園で働いた時の具体的なイメージが湧きやすいように、保育園の看護師の1日の仕事の流れや、具体的な仕事内容をご紹介します。
保育園で働く看護師の1日の流れ
保育園で働く看護師の仕事には、園児の健康チェックや服薬管理、オムツ交換や食事介助などがあります。
これらの仕事をどのようなタイムスケジュールで行うのか、1日の仕事の流れの例を見てみましょう。
【保育園看護師の1日の流れ】
8時00分 | 出勤 |
8時15分 | 職員全員でミーティング。
その日の体調不良の子、服薬がある子、病み上がりの子などの連絡事項を確認し、職員全員で情報を共有。 |
8時30分 | 0歳児のバイタルチェックと、1~6歳児のクラスを見て回り、体調不良の子の様子をチェック。 |
9時00分 | オムツ交換や授乳、散歩の引率、子どもと園内で遊ぶなど保育士業務の手伝い。 |
11時00分 | 子どもたちの昼食。
離乳食の形状やアレルギー用の食事の確認。食前食後に薬のある子へ服薬させる。 |
12時00分 | お昼寝の時間。
子どもたちの寝かしつけの後に、連絡帳の記載やその他雑務を行う。 各クラスの保育士さんに子どもたちの状態に変わりないかなどを確認する。 |
13時00分 | 自分たちの昼食、休憩。 |
14時00分 | 子どもたちの起床。
0歳児のバイタルチェック。オムツ交換や授乳。 |
14時30分 | おやつの食事介助。 |
15時00分 | 保育業務の手伝い。 |
17時00分 | 退勤。 |
保育園の看護師の具体的な仕事内容
保育園の看護師の具体的な仕事内容は、(1)園児の健康管理、(2)園内での感染症対策、(3)保育業務、(4)保護者への園児の健康維持・増進の啓蒙、(5)緊急時の対応の5つがあります。
園児の健康管理
園児の健康管理は、その日1日園児が元気に過ごすために、保護者からの連絡ノートなどから、その日の体調不良の子や服薬がある子、病み上がりの子などをチェックし、体調悪化がないか等を観察します。
また、0歳児は体調が急に変化することがありますので、午前と午後でバイタルサインをチェックしたり、食物アレルギーのある子どもの給食は、きちんとアレルギー対応食になっているかなどを確認します。
園内での感染症対策
園内での感染症対策も保育園看護師の仕事です。
子どもがかかりやすい感染症が広がらないように予防対策を徹底したり、食中毒が出ないように給食室の消毒などの確認を行います。
インフルエンザやノロウイルス、手足口病などの感染症が園内で発生すると、園児に一気に感染が広がり、一時閉園することになりかねません。
感染症の流行情報などを収集して、手洗い、うがいや感染症ごとの予防法を園児に徹底させるようにします。
また、園児に感染症の予防を徹底させるためには、保育士などの職員にも予防の重要性や予防法を広める必要がありますので、職員への指導も行います。
さらに、保育園では園児に給食を出しますが、食中毒が起こらないように、給食室の衛生管理を徹底し、衛生的な環境で調理できるようにするのも保育園の看護師の仕事です。
保育業務
保育園の看護師は、保育業務も行います。
0歳児のオムツ交換や食事介助をしたり、手が空いたときは園庭で園児が危険な遊びをしないかどうか見守りをします。
場合によっては、子どもたちと一緒に遊んだり、お散歩の引率を行いますので、保育園の看護師は保育士の仕事を手伝うことも仕事の1つになります。
保護者への園児の健康維持・増進の啓蒙
園児の健康維持・増進のためには、保護者の協力が欠かせませんので、健康維持・増進のために「保健だより」などを作成して、保護者への啓蒙活動を行います。
いくら保育園内で感染症の予防を徹底していても、家庭で感染したら、その園児から園内に一気に感染症が広がる可能性がありますので、保護者にも感染症の正しい知識を持ってもらう必要があるのです。
また、保護者から園児の健康上の問題などの相談を受けることもあります。
緊急時の対応
保育園内で園児が怪我をしたり、急病になった場合の対応をすることも、保育園看護師の仕事です。
緊急時に保育園看護師が的確な判断をし、スムーズに対応すれば、園児の安全を守ることが出来ます。
園児の緊急時に、園内で処置をして様子を見るか、保護者に連絡をして病院を受診させるか、すぐに救急車を呼ぶべきかを判断するだけでなく、必要があれば園児の受診に付き添ったり、保護者への状況説明や対応策の説明を行います。
保育園で働く看護師に必要なスキル
保育園で働く看護師に必要なスキルは、(1)子どもが好きであること、(2)小児医療・看護の知識があること、(3)的確な判断力と対応力を持っていること、(4)ワードやエクセルなどのパソコンスキルを持っていること、(5)クリエイティブな仕事が出来ることの5つです。
これら5つのスキルを持っていれば、保育園で子どもの安全を守りながら、責任を持って働くことが出来るでしょう。
子どもが好き
保育園で働く看護師に必要なスキルの1つ目は、子どもが好きであることです。
保育園看護師に必要なスキルの中で、この「子どもが好きである」というスキルが最も重要で、必要不可欠なものになります。
子どもが心から好きな看護師さんなら、今は他の4つのスキルを持っていなくても、これから少しずつ身につけていけば、保育園で働くことが出来ます。
逆に、どんなに仕事ができる看護師さんでも子どもがあまり好きではない看護師さんは、保育園では長く働くことは出来ないでしょう。
保育園の看護師がスムーズに働くためには、保育士や保護者からの信頼を得ることも大切ですが、何より子どもたちから好かれ、信頼されることが大切になります。
子どもたちから好かれ、信頼を得るには、まず看護師側が子どもを心から好きで、愛情を持って接する必要がありますので、保育園看護師は子どもが好きでなければいけないのです。
小児医療・看護の知識
保育園看護師は、小児医療や看護の知識が必要になります。
0~6歳までの発達段階に応じた健康問題や緊急時の対応方法を知っておかないと、園児の健康管理はできません。
保育園看護師は小児科での勤務経験があれば有利になりますが、小児科経験が必須というわけではありません。
ただ、小児科経験がない看護師さんは、自分で小児医療や看護の知識を勉強しておく必要があります。
保育園で働きたいけれど、小児科経験がないという看護師さんは、自分で勉強する以外に、アメリカ心臓協会が推奨するPEARSプロバイダーコースを受講しておくと安心です。
PEARSプロバイダーコースは院外、院内問わず乳児、小児の呼吸、循環に関わる病態を短時間に評価し適切な対応を行うためのコースです。
受講期間も1日のみですので、気軽に受講することが出来ます。このコースを受講しておけば、園児の急病や怪我の際の判断や対応に役立つ知識・技術を得ることが出来るでしょう。
的確な判断力・対応力
保育園看護師は的確な判断力と対応力も求められます。
保育園には医師はいませんので、園児の緊急時は看護師が判断し対応しなければいけません。
保育園では「どうしよう、どうしよう」と迷っていても、あなたに代わって判断してくれる医師も、対応してくれる先輩看護師もいません。
あなたが迷っていたり、間違った判断・対応をすれば、子どもは危険になりますし、最悪の場合、命に関わることもあるのです。
そのため、保育園看護師は的確な判断力と対応力が求められるのです。
ワードやエクセルなどのパソコンスキル
保育園看護師はワードやエクセルなどのパソコンスキルも必要になります。
保育園の看護師は「保健だより」などを作成しなければいけませんし、園児の健康診断のデータなどもパソコンで管理・保管します。
そのため、病棟やクリニックよりもデスクワークが多くなり、基本的なパソコン操作、特に「ワード」での文書作成や、「エクセル」での表やグラフの作成などのスキルが必要になります。
自分で仕事を作るクリエイティブなスキル
保育園の看護師は自分で仕事を見つけて、仕事を作るクリエイティブなスキルが要求されます。
保育園の中には「今回初めて看護師を配置することになった」と言うところも少なくありません。
また、前任の看護師がいたとしても、医療関係の施設ではないため、看護師の業務マニュアルが作成されていないこともあります。
そのため、保育園の看護師は自分で、その保育園に看護師としてどんなことが出来るのか、どんなことが必要なのかを考え、創意工夫をしながら、仕事をしていく必要があるのです。
看護師が保育園の求人を探す時のポイント
看護師が保育園の求人を探す時のポイントは、残業や教育制度、昇給・ボーナス、病児保育・病後児保育の有無です。
せっかく保育園で働くのですから、求人を探す時のチェックポイントをしっかりと押さえて、楽しく満足して勤められるところを見つけましょう。
残業はどのくらいあるかをチェックする
まずは、残業がどのくらいあるかをチェックしましょう。
せっかく日勤だけの仕事を希望して保育園を選んだのに、残業が多くて、帰るのが遅くなってしまったら、保育園を選んだ意味がありません。
保育園の看護師は基本的には残業はほとんどありません。
でも、保育園の方針として「保健だより」作成などのデスクワークよりも保育業務の補助を優先させるという場合、看護師はデスクワークを後回しにしなければなりませんので、残業をしなければいけないこともあります。
また、看護師が働く保育園は認可保育園ですので、基本的な開園時間は11時間となっています。閉園になれば、看護師の仕事もそこで終了になります。
でも最近は11時間を超えて延長保育をしているところが増えています。
それでも、基本的には看護師は残業せずに帰ることが出来るのですが、その日の体長不良の子が延長保育だった場合は、看護師が付き添う必要があるため残業しなければいけない事もあるのです。
また、園での保育中に怪我や発熱で病院を受診させたことで、残業となった場合、残業代がつかないというケースもあります。
事前にしっかり残業はどのくらいあるのか、またきちんと残業代はつけてくれるのかを確認しておきましょう。
教育制度やマニュアルがあるかをチェック
次に、教育制度やマニュアルがあるかをチェックする必要があります。
教育制度が全然ないところ、保育園看護師の仕事マニュアルがないところに就職すると、「具体的にどんな風に仕事をすれば良いかわからない」、「仕事の注意点やコツがわからない」という事態になってしまいます。
仕事のマニュアルがなくても、自分で試行錯誤しながら仕事を作っていくと言うやりがいはありますが、保育園の仕事を充実させるためにも、教育制度やマニュアルの有無は大切なチェックポイントになります。
教育制度やマニュアルがあったとしても、自分なりの仕事を作っていくことも出来ますが、右も左もわからない状態では、何をすれば良いのか分らないというストレスを抱えることになってしまうのです。
看護師が保育園に配置されることが推進されるようになったのは、2007年からです。つまり、保育園看護師はまだまだ新しい仕事なのです。
先ほども説明しましたが、今まで看護師がいたことないという保育園もたくさんあります。そして、基本的に保育園看護師は1つの保育園に1人だけです。
その保育園にとっての最初の保育園看護師があなたで、あなたも保育園看護師の経験はない。
この状況で、教育制度や仕事マニュアルがなかったらどうですか?
園児の健康管理が仕事であることは分っていても、具体的に何から仕事をして良いか分らないですよね。
だからこそ、教育制度や仕事マニュアルがある保育園を選ばなければいけないのです。
病院のような教育制度はなくても、保育園看護師がいる他の保育園で短期間の研修を受けることができる、保育園看護師の仕事マニュアルがきちんとあるなど、保育園看護師として働く環境が整っているところを選ぶべきです。
そういう保育園を選べば、仕事も充実してやりがいを感じますし、余計なストレスに悩まされることもないでしょう。
昇給やボーナスはあるかをチェック
保育園の求人を探す時には昇給やボーナスはあるかをチェックしましょう。
保育園看護師の給料はあまり高くありませんが、昇給があるところは長年勤めれば、それだけ給料が上がりますし、ボーナスが多いところは月収が高くなくても、年収が高くなります。
保育園の看護師の給料の相場は20~25万円ですが、毎年確実に昇給があるところなら、最初は給料が安くても、長く勤めれば勤めるほどお給料は着実にアップします。
また、保育園の中にはボーナスが出ないところがある一方で、4ヶ月分などたくさん出るところもあります。
基本給が20万円、総支給額23万円の場合で、ボーナスなしのケースと、ボーナス4ヶ月分のケースの年収を比べてみましょう。
<基本給20万円、総支給額23万円の年収>
給料12ヶ月分の金額 | ボーナス額 | 年収 | |
ボーナスなし | 276万円 | 0円 | 276万円 |
ボーナス4ヶ月分 | 276万円 | 80万円 | 356万円 |
どうでしょうか?月収は同じでもボーナスの違いだけでこんなにも年収に差が出るのです。
もし、ボーナスがあって、さらに昇給率が良いところであれば、長年働いていけば、年収450万円以上も可能なのです。
病児保育、病後児保育があるか
保育園の求人を選ぶ時には、病児保育や病後児保育を行っているかをチェックしましょう。
病児保育や病後児保育を行っている保育園で働くと、看護師としてのやりがいを感じることができる機会が増えますが、同時に仕事量が増えて負担が大きくなります。
近年は厚生労働省の方針で病児保育・病後児保育を行っている保育園が増えています。
そのため、保育園での看護師のニーズが増加しているのですが、病児保育・病後児保育を行っている保育園では、病気の子ども、安静が必要な子どもを預かる事になりますので、医療職者としての看護師の専門性をより活かすことが出来ます。
ただ、その分、仕事量は増えますし、場合によっては残業しなければいけない日も増えるでしょう。
そのため、あなたが「保育園でどのような仕事をしたいか」、「どのようなスタイルで働きたいか」によって、病児保育・病後児保育があるところを選ぶのか、ないところを選ぶのかを決めると良いでしょう。
まとめ
保育園で働く看護師のメリットやデメリット、具体的な仕事内容、必要なスキル、求人を探す時のポイントを知って、保育園看護師の仕事内容が幅広いことに驚きつつも、保育園で働いてみたいという気持ちが強くなった人が多いのではないでしょうか?
保育園の看護師は、大勢の子どもたちの相手をしながらも、それぞれの家庭環境や健康状態、発育状況に合わせて対応をしなくてはいけないので、難しくて大変ですが、その分やりがいを感じられる仕事です。
保育園の求人を選ぶ時は、残業は本当に少ないのかや、教育制度の有無をチェックすることはもちろんですが、その園の保育方針や理念なども確認しておきたいポイントです。
保育園の求人は、病院やクリニックと比べるとまだまだ少ないですが、妥協せずに希望に合ったところを選ぶようにしましょう。
[wphtmlblock id=”1395″]
コメント