[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more.. ]
「私って看護師に向いてない性格かも」と悩んでいるあなたは、勘違いをしているだけかもしれません。
一見、看護師に向いてない性格でも、実は看護師に向いてる性格であることがよくあります。
そんな「実は看護師に向いてる性格」には、次の8つがあります。
- 臆病な人
- 口下手な人
- 臨機応変な対応が苦手な人
- 神経質で潔癖症の人
- いつでもマイペースな人
- おおざっぱな人
- 短気な人
- すぐに焦ってしまう人
これらの性格の人は、「看護師に向いてない」と悩んでいるかもしれませんが、実は看護師に向いているのです。
性格もとらえ方によって、裏表、2面性があります。
ネガティブな面ばかりに着目せずに、良い面を活かす事で他の看護師にない自分だけの長所となります。
そして、その性格に合った職場で働くと、性格の長所をより活かすことが出来ますので、「私って看護師に向いてるわ!」と思いながら働けます。
看護師に向いてない…と悩んでいる人は、その性格に合った職場で働くことで、悩みを解決することができるのです。
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こんな性格の人も看護師に向いている!
一見、看護師に向いてない思えるような性格の人でも、実は看護師に向いているという場合があります。そんな「実は看護師に向いてる性格」は、次の8つがあります。
- 臆病な人
- 口下手な人
- 臨機応変な対応が苦手な人
- 神経質で潔癖症の人
- いつでもマイペースな人
- おおざっぱな人
- 短気な人
- すぐに焦ってしまう人
このような性格の人は、実は、看護師に向いていないのではなく、「看護師に向いている性格」なのです!
臆病な人
臆病な人は重症患者を受け持つと、怖くなってしまって、ビクビクすることがあると思います。
重症患者を受け持つだけで、ストレスに感じることもあるのではないでしょうか?
「インシデントや医療ミスをしてしまったら、どうしよう?」と不安になることもあるでしょう。
でも、臆病な人は、看護をすることを「怖い」と思いますので、それだけ慎重に仕事をしますし、いつも確認をして、1つ1つを確実に仕事をすることができます。
看護師の仕事は確実性が重視されますので、臆病な人は看護師に向いてる性格なのです。
口下手な人
看護師はコミュニケーションスキルが必要とされる仕事ですので、口下手な人や話すのが苦手な人は、看護師に向いてる性格ではないとされています。
でも、ペラペラ話すことだけが看護師の仕事ではありません。
患者の話を傾聴することも、看護師の大切な仕事です。
実は、患者は看護師の話を聞きたいというよりも、自分の話を聞いてほしいという人が多いのです。
そのため、おしゃべりな人よりも、自分からは積極的に話さず、口下手で聞き手に回る人の方が良い看護ができることが多々あります。
口下手で話が苦手な看護師さんも、実は看護師に向いているのです。
臨機応変な対応が苦手な人
看護師はいつでも臨機応変に対応する必要があるとされています。
しかし、臨機応変に対応することだけが、看護師の仕事ではありません。
地味にコツコツと確実にルーティンワークを行えることも、看護師にとって重要なことです。
患者の状態やニーズは1人1人違いますし、いきなり急変することもあります。
そのため、臨機応変な対応が苦手だと、看護師に向いてない性格とされています。
でも、地味な仕事をコツコツとやっていくことも看護師の大切な仕事です。
臨機応変が苦手な人は、裏を返すと地味な仕事をコツコツやることが得意だったりしませんか?
逆に、臨機応変な仕事が得意な人は、地味な仕事をコツコツやるのが苦手だったり、嫌ったりするものです。
日常的に看護をしていくことは、臨機応変さよりも地味な仕事をコツコツやることのほうが求められることがあります。
そのため、臨機応変に対応することが苦手な性格の人も看護師に向いてると言えるのです。
神経質で潔癖症
あまり良い表現ではありませんが、看護師の仕事は汚いものを扱う仕事です。
そのため、神経質で潔癖症の人は、「自分は看護師に向いてる性格ではない」と思っているかもしれません。
でも、神経質で潔癖症の人は、その性格から「清潔」と「不潔」の区別をしっかりつけることができます。
神経質で潔癖症の人は、おむつ交換や排せつ介助、痰の吸引などを行う時に、ストレスを感じていて、「看護師に向いてない」と思っているかもしれません。
でも、ストレスを感じると言う事は、生来の性格として、清潔と不潔をしっかり区別できるという長所があります。
看護師として働く上で、清潔と不潔の区別をしっかりつけることは、とても大切なことです。
清潔なものは清潔を保つ、清潔と不潔を混ぜない、清潔なものが不潔になってしまったら、どんなに手間でも、また清潔なものを新しく用意する。
潔癖症でない人、ちょっとくらい汚れていても気にならない人は、この清潔と不潔の区別をきちんとつけられないことがあります。
また、潔癖な人はきっちり手洗いをします。
1患者1手洗いを実行し、さらに手指消毒剤もしっかり使います。
そのため、神経質で潔癖な人は院内感染の原因になることは絶対にないのです。
いつでもマイペースな人
いつでもマイペースな人は、周囲に合わせないので、看護師に向いてる性格ではないとされています。
でも、考え方を変えてみると、マイペースな人は自分をしっかりと持っているとも言えますので、実は、看護師に向いてる性格です。
看護師は患者と密にコミュニケーションを取ったり、しっかり信頼関係を築きながら、看護をしなければいけないことがあります。
「より良い看護をしよう!」と思って、患者に感情移入しすぎてしまうと、それがストレスになったり、患者に引きずられて精神的に不安定になったりします。
でも、いつでもマイペースで自分をしっかり持っている人は、感情移入しすぎることはなく、患者と適切な距離を保って看護をしていけるのです。
おおざっぱな人
看護師はおおざっぱな人は向いてないと言われていますが、そんなことはありません。
看護師もおおざっぱなくらいの方が良いことがあるのです。
看護師は輸液ポンプやシリンジポンプで量を間違えないように、正確に薬剤を投与しなければいけないこともあります。
そのほか、抗生剤も時間通りに投与しなければいけない事もありますし、尿量を正確に計測して、インアウトバランスをきちんと計算しなければいけない事もあります。
でも、職場によっては、おおざっぱなくらいのほうが良いこともあるのです。
おおざっぱな性格は、言い換えるとおおらかな性格になります。
急性期はともかく、慢性期やリハビリ期、介護の現場では、あまりにきっちりしていて、それ以外は許せない、我慢できないというタイプの看護師では、患者は息苦しく感じることがあります。
おおらかでおおざっぱなの性格の方が、患者の精神的なケアができたり、患者に安心感を与えることができますので、おおざっぱな人も看護師に向いているのです。
短気な人
短気な人は、すぐにイライラしてしまうので、看護師に向いてないとされていますが、「短気な人=自分でテキパキ動ける人」ですので、スピードを求められる場面ではその性格が活きてきます。
患者は基本的に高齢者が多いので、ペースがゆっくりです。
また、ADLが低いと歩くのもゆっくりで、食べるのもゆっくりになります。
短気な人は、自分のペースで仕事が進まないことにイライラしてしまうことが多いのではないでしょうか。
そして、患者にイライラしてしまう自分に嫌気がさして、「私は看護師に向いてない性格なんだ」と悩んでしまうのだと思います。
ということは、自分でテキパキと仕事を進めていけば、イライラせずに済みますよね。
看護をする上では、患者のペースに合わせることも大切ですが、場合によってはスピードを要求されることもあります。
ゆっくりとしたペースで看護をするよりも、患者の命を救うために、患者のペースではなく、医療者側のペースでスピーディーに処置をしなければいけないことが多々あります。
そういう場面では、短気でテキパキ動ける看護師の方が重宝されます。ですから、短気な人も看護師に向いているのです。
すぐに焦ってしまう人
看護師は緊急時でも冷静沈着でいる必要がありますので、すぐに焦ってしまう性格の人は看護師に向いてないと言われています。
でも、仕事中に焦ってしまうという人は、それだけまじめに看護師の仕事に取り組んでいるんだと思います。
仕事に不真面目でやる気がない人は、緊急時にそれにうまく対応できなくても「まぁ、いいか。適当にやろう」と思って、焦ることはありませんから。
急変時などにすぐに焦ってしまう人は、確かに急変対応が苦手かもしれません。
でも、仕事に対してまじめに取り組んでいるという長所があります。
看護師の仕事にまじめに取り組んでいる人が、看護師に向いてないわけがありません。
だから、すぐに焦ってしまう人も看護師に向いている性格なのです。
緊急時に冷静に対応できるかは経験値がものを言いますので、今のまま、まじめに看護師の仕事に取り組んでいけば、どんな急変時でも緊急時でも冷静に対応できるようになります。
ちなみに、表面上は冷静沈着にテキパキ対応している先輩看護師も、実は内面は焦っている&不安でいっぱいということも良くあります。
緊急時に焦らない人なんていません。みんなそれを上手に隠しているだけです。
だから、「私はなんで焦ってしまうんだろう?」と劣等感を抱く必要はないのです。
性格別あなたに向いてる職場
あなたの性格に向いてる職場を選べば、「私って、看護師に向いてたんだ!」と思いながら働くことができます。
臆病な人はICUや介護現場がおすすめです。口下手な人は手術室や介護施設、臨機応変な対応が苦手人は療養型病棟や健診センター、神経質で潔癖症の人は手術室で働くと良いでしょう。
いつでもマイペースな人は精神科病棟、おおざっぱな人は療養型病棟や回復期リハビリ病棟、介護施設、短気な人は救命救急センターや手術室がおすすめです。
そして、すぐに焦ってしまう人はICUや救命救急センター、もしくは介護施設や保育園、健診センターが良いと思います。
臆病な人におすすめの職場
臆病な人におすすめの職場は、ICUや介護現場です。
ICUと介護現場は、真逆ではありますが、どちらも臆病な人におすすめです。
臆病な人は1つ1つをきちんと確認しながら仕事をしますので、ミスすることが少ないです。
そのため、1つのミスが大きな事故を招くリスクが高い集中部門で働くと、「臆病」という性格を長所に変えて働くことができます。
ただ、臆病な人は重症患者の受け持ちにストレスを感じることがありますので、そういう人は介護施設など重症患者がいないところに転職すると良いでしょう。
どこの職場でも臆病であるがゆえに、きちんと確認し、慎重に仕事をするという長所は活かすことができます。
口下手な人におすすめの職場
口下手な人はオペ室や介護施設などがおすすめです。
オペ室や介護施設なら、口下手でも、「看護師に向いてるかも」と思いながら働くことができます。
オペ室は、病棟や外来、クリニックなどと比べると、患者さんとコミュニケーションをとることはありません。
また、オペ中は器械出しの看護師、外回りの看護師ともに、オペの進行状況などの情報交換・情報共有のためのコミュニケーションは取りますが、必要以上におしゃべりをすることはありません。
そのため、口下手でもその性格をマイナスであると感じずに働くことができるのです。
介護施設では基本的に看護師は聞き役に回ります。
高齢者は自分の話を聞いてもらいたいという欲求が強いので、看護師は聞き役に回ることで、より良い看護につながります。
臨機応変な対応が苦手な人におすすめの職場
臨機応変な対応が苦手な人におすすめの職場は、療養型病棟や健診センターです。
療養型病棟も健診センターも、地味なルーティンワークが多いので、臨機応変な対応が苦手だけれど、コツコツと地味な仕事を続けるのは得意という人に向いているのです。
療養型病院は基本的に状態維持が目標の治療を行いますし、患者は状態が安定していますので、急変など臨機応変な対応が必要なことは少ないです。
むしろ、毎日、同じルーティンワークをコツコツと行う必要がありますので、ルーティンワークが苦ではない人にオススメなのです。
健診センターは同じことを長時間続けますので、コツコツ努力型の性格の看護師さんに向いている職場です。
健診センターは午前中はひたすら採血、午後は腹囲測定、15時以降は健診結果のパソコン入力などが1日の仕事の流れになりますので、臨機応変な対応が苦手な人でも問題なく働けます。
神経質で潔癖症の人におすすめの職場
神経質で潔癖症の性格の看護師さんにおすすめの職場は、手術室です。
手術室では、清潔と不潔の区別をしっかりしなければいけません。
手術前にはしっかり手洗いをして、滅菌ガウン、滅菌手袋、キャップ、ゴーグル等をして手術に入りますので、潔癖症の看護師さんは、病棟で働くよりも安心して働けると思います。
また、手術室ではオムツ交換をしたり、排便介助をすることはありませんので、その点も潔癖症の看護師さんにはおすすめです。
手術室で働けば神経質で潔癖症という性格を活かして働くことができます。
いつでもマイペースの人におすすめの職場
マイペースの人におすすめの職場は、精神科病棟です。
精神科病棟の看護師は、マイペースで自分をしっかり持った人が向いているのです。
精神科病棟では患者と信頼関係を築きながら看護をしていかなくてはいけません。
でも、患者とあまり距離が近すぎると、患者の精神状態に引きずられて、看護師がストレスを抱え込むことになります。
また、精神的に安定していない患者に振り回されて、疲労してしまうこともあるのです。
でも、マイペースで自分を持っている看護師は、患者に引きずられることもありせんし、振り回されることもありません。
患者と適切な距離を保って、良い看護を行うことができるので、いつでもマイペースの看護師は精神科病棟で働くと、その性格をあなたの武器として働くことができるのです。
おおざっぱな人におすすめの職場
おおざっぱな看護師さんは、療養型病棟や回復期リハビリ病棟、介護施設で働くと良いでしょう。
療養型病棟や介護施設では、患者・入居者の人はみんな状態が安定していますので、緻密な治療が必要ではありません。
逆に、病棟・施設が生活の場になっているので、おおらかな対応、少しおおざっぱなくらいの対応の方が心地よく感じるのです。
日常生活内で、あまりにもきっちりされてしまうと疲れてしまいますので、おおざっぱな看護師の方が愛されます。
また、回復期リハビリ病棟では、患者は毎日辛いリハビリを行わなくてはいけません。
そのような時にも、いつもきっちりしている看護師よりも、おおらかな看護師の方が患者にとっては安心感がありますし、息苦しさを感じません。
短気な人におすすめの職場
短気な人は救命救急センターや手術室で働くことをおすすめします。
救命救急センターでは、救命優先ですので、患者のペースではなく医療者側のペースで治療を進めることが多いです。
そのため、患者のペースに合わせてイライラするようなケースは少なく、短気でテキパキ働く性格の人に向いている職場です。
また、手術室も患者のペースに合わせることはありません。
手術は患者の負担を少なくするために、できるだけ短い時間で終わらせるようにしますので、テキパキスピーディーに仕事をしたい人にピッタリの職場なのです。
短気で患者さんにイライラしてしまう性格の看護師さんは、救命救急センターや手術室で働くと良いでしょう。
すぐに焦ってしまう人におすすめの職場
すぐに焦ってしまう性格の看護師さんは、
- ICUや救命救急センターなどのあえて急変が多い職場
- 介護施設や保育園、健診センターなど急変がほとんどない職場
のどちらかで働きましょう。
先ほども説明しましたが、すぐに焦ってしまうのは、急変対応などの経験が足りないためです。
急変対応など焦る場面を何度も経験すれば、自然に慣れていきます。
ですから、「焦らないようにしたい!」と思っている看護師さんは、あえてICUや救命救急センターなど急変が多い職場にチャレンジして、慣れるように頑張るのも良いのではないでしょうか。
ただ、「もう焦るような場面は嫌!気持ちに余裕をもって働きたい」という看護師さんもいると思います。
そういう場合は、介護施設や保育園、健診センターなど急変がほぼないところで働くと、ストレスなく、精神的にゆとりをもって働けると思います。
どんな性格も長所に変えれば、看護師に向いてる性格になる
看護師に向いている性格と言えば、明るくて優しい、コミュニケーションが上手で、周囲への気配りができるなどが思い浮かぶと思います。
でも、看護師全員がそんな性格ではありません。
あなたの職場の先輩看護師の中に、「明るくて優しくて、コミュニケーションが上手で、気配り上手」の条件を完璧に満たす人は何人いますか?
そんな完璧な人はほとんどいないと思います。それでも、みんな看護師をやっているのです。
だから、「看護師の性格はこうでないといけない」、「これが看護師に向いてる性格だ!」と決まりはありません。
「看護師として働きたい」という気持ちさえあれば、「あなたは看護師に向いています」。
どんな性格の人でも、ちょっと考え方を変えてみると、看護師としての長所になる性格、看護師としての武器になる性格になるのです。
そして、その長所になる性格を活かせる職場で働けば、今まで看護師に向いてないと悩んでいた人でも、「私って看護師に向いてる!」と思うことができます。
看護師に向いてないと悩んでいる人は、「考え方を変えて」、「職場を変えて」楽しく、充実した看護師ライフを送りましょう。
まとめ
「実は看護師に向いてる性格」と「それらの性格別のおすすめ職場8つ」をご紹介しました。
どんな性格でも、考え方を変えれば看護師に向いてますし、その性格を活かせる職場に転職すれば、看護師に向いていると実感できるはずです。
「看護師に向いてない」と悩んでいる人は、転職サイトに登録して、コンサルタントと話してみるもの良いと思います。
看護師の転職のプロであるコンサルタントに、あなたの性格について、率直に悩みを相談すれば、多くの看護師さんとその悩みに向かい合ってきたコンサルタントが、きっと良いアドバイスや、解決のキッカケ、自分の性格を活かせる職場を紹介してくれるでしょう。
こうした看護師の転職支援のサイトは無料で利用出来ますので、ぜひお気軽に試して見て下さい。
担当のコンサルタントが気に入らない場合はいつでも交代してもらえますし、また、相手からのコンタクトを止めてもらうのも自由です。
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