[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more.. ]
一般に看護師は高収入と言われていますが、「仕事が大変で全然割に合わない」と感じている看護師さんも多いと思います。では、もっと高収入の得られる求人はあるのでしょうか。
看護師が高収入をねらえる職場には、大学病院や公立病院、または美容外科クリニック、有料老人ホームがあります。
そして、これらの中から夜勤手当やボーナスの支給実績、昇給の有無にこだわって求人を探せば、高収入が得られる求人をきっと見つける事ができます。
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看護師が高収入を得るための条件はこれ
看護師が高収入を得るための条件には、「夜勤があること」、「大病院であること」、「自由診療であること」の3つがあります。これらの条件すべてに当てはまる職場はありませんが、1つか2つでも当てはまる職場で働けば、高収入に大きく近づきます。
夜勤に入れば夜勤手当がもらえますし、大病院は小さな病院よりも給料が高い傾向にあります。自由診療の病院やクリニックは利益率が高いため、その分看護師の給料も高くなるのです。
夜勤があること
看護師が高収入を得る一番の手段はやはり夜勤です。夜勤があれば夜勤手当がもらえるからです。看護師の給料の中で夜勤手当は大きな割合を占めており、夜勤のある職場に入ることが高収入へとつながるのです。
日本看護協会の「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査 (PDF)」によると、看護師の夜勤手当の平均は2交代制で10,119円、3交代制の準夜勤で3,812円、深夜勤で4,635円となっています。
2交代制なら1ヶ月に4回、3交代制なら準夜勤と深夜勤を4回ずつ計8回入れば、月に4万円前後の収入になります。これを12ヶ月分にすると48万円。夜勤に入るのと入らないのでは年収で48万円も差が出ることになります。
大病院であること
看護師が高収入をねらうには、大病院で働くことも1つの条件になります。規模の大きな病院は小さな病院よりも給料が高い傾向にあります。そのため、大病院で働けばそれだけで高収入を得られる確率が上がるのです。
厚生労働省の「平成25年 賃金構造基本統計調査」によると、職員が10~99人の規模だと看護師の平均年収は442万円、1000人以上の規模だと508万円です。病院の規模が違うだけで、66万円も平均年収が変わりますので、大病院で働けばそれだけ高収入に近づくのです。
自由診療であること
自由診療をしている病院やクリニックで働くことでも、看護師は高収入をねらうことができます。自由診療のクリニックで働けば、日勤のみの勤務でも夜勤ありの仕事と同じくらいの高収入を得ることも可能です。
保険診療だと診療報酬を厚生労働省が決めているのですが、自由診療だと病院やクリニックが診療報酬を独自に設定することができます。そのため、自由診療は治療や施術のクオリティに自信があれば、料金設定を高くすることができ、その分利益が多くなります。利益が多くなれば、そこで働く看護師の給料も高くなるのです。
看護師が高収入が得られる職場はここ
看護師が高収入をねらえる職場は、大学病院や公立病院、または美容外科クリニック、有料老人ホームがあります。これらの職場で働けば、高収入を得ることができます。
大学病院や公立病院は「夜勤があること」と「大病院であること」の2つの条件を満たしています。
美容外科クリニックは自由診療ですし、有料老人ホームは夜勤があって、自由診療の側面を持ちますので、それぞれ看護師が高収入を得るための条件を1~2つ備えています。
大学病院や公立病院
看護師が高収入を得るなら、大学病院や公立病院をオススメします。大学病院や公立病院なら看護師5年目で年収480万円、看護師10年目で年収530万円が年収の目安になります。看護師の平均年収が472万円ですから、看護師5年目で平均年収以上を稼ぐことができるのです。
日本看護協会の「2012年 病院勤務の看護職の賃金に関する調査」(PDF)によると、師長、主任、非管理職のスタッフの基本給は私立病院(医療法人)よりも大学病院(学校法人)や公立病院のほうが高くなっています。
また、大学病院や公立病院はボーナスの支給実績も良い傾向にありますし、福利厚生が手厚いというメリットもあります。
美容外科クリニック
美容外科クリニックでも高収入をねらうことができます。美容外科クリニックなら、月収35万円以上の求人も珍しくありません。スキルアップすれば、月収40万円以上も可能なのです。
美容外科クリニックは日勤のみで月収40万円以上をねらえますので、「夜勤が嫌い、でも高収入が欲しい」という看護師さんにはピッタリの職場です。
また美容外科クリニックは、クリニックの売り上げが良ければ年に2回だけでなく1~2ヶ月ごとにボーナスが出たり、個人的に売り上げに貢献すれば給料に反映されるところもありますので、能力次第でさらに収入がアップができます。
有料老人ホーム
有料老人ホームも高収入をねらえる職場です。夜勤ありの有料老人ホームだと年収500万円が目安になります。年収500万円だとそれほど高収入だと思わないかもしれませんが、有料老人ホームは「高収入+α」がある職場なのです。
有料老人ホームは民間企業が経営していますので、介護業界の自由診療と言えます。だから、ほかの介護施設よりも看護師の給料が高いのです。
そして、有料老人ホームは比較的高収入というだけではありません。プラスアルファのメリットがあります。有料老人ホームは介護士さんがいますので、看護師は看護業務に専念することができます。また、仕事量も病院より少なくゆったりとした雰囲気の中で働くことができますし、夜勤も落ち着いていることがほとんどです。
有料老人ホームは比較的高収入で、しかも仕事環境でのメリットが多い職場と言えるでしょう。
看護師が高収入の求人情報でチェックすべきポイント3つ
看護師が高収入の求人を探す時に、チェックしておきたいポイントは、夜勤手当とボーナスの支給実績、昇給の有無です。この3つの条件にこだわって求人を探すことが、高収入を得る秘訣です。
夜勤手当は看護師の給料の中で大きな割合を占めますので、できるだけ金額が高いところを選びましょう。ボーナスは年収に大きく関係してきますし、昇給の有無も高収入をねらうには欠かせないポイントです。
夜勤手当が高い求人
看護師の給料の中で高収入かどうかを決めるのは、夜勤手当と言っても過言ではありません。夜勤手当が高い求人を選ぶことが、高収入に直結するのです。
2交代制の夜勤手当の平均額は1万119円ですが、これはあくまで平均額です。看護協会の調査によると6000~8000円未満が22.9%と一番多くなっています。
また、割合はかなり少ないものの「手当なし」や2000円未満のところもありますし、逆に20000円以上のところもあります。
月に4回夜勤に入るとして、夜勤手当が6000円のところと15000円のところでは、1ヶ月で36000円も違ってきます。高収入を得るなら、夜勤手当が高いところを選ばないと損をすることになるのです。
ボーナスの支給実績がよい求人
高収入を得るためには、ボーナスの支給実績もきちんとチェックしましょう。高収入の求人を探すときは、「月収がいくらなのか」という部分に気をとられてしまいますが、ボーナスの支給実績を確認しないと思わぬ損をすることになるかもしれません。
高収入の求人を探すなら、月収だけでなくボーナスの支給実績を見て、総合的に判断しなければいけないのです。
ボーナスは基本給の○ヶ月分という形で支給されます。基本給を25万円としてみましょう。ボーナスが2ヶ月分の場合50万円ですが、5ヶ月分なら125万円です。これだけ大きな差が出るのですから、ボーナスが何ヶ月分支給されるかはとても重要なポイントになります。
昇給がある求人
昇給の有無も確認しておきましょう。昇給があれば、年々お給料が上がっていきますので、勤続年数が長くなれば長くなるほど高収入になりますが、昇給がなければお給料は上がることはなく、ずっと同じ給料のままです。
昇給があれば、仕事へのモチベーションは上がります。モチベーションが上がれば、スキルアップへのやる気が湧いてきます。スキルアップすれば、さらに高収入につながるのです。
看護協会の調査では、年齢や勤続年数に応じた昇給がある病院は80.5%です。約20%の病院では昇給がないのです。
また、私立病院よりも大学病院や公立病院のほうが昇給額が多い傾向にありますので、昇給額もチェックしたいポイントです。
まとめ
看護師が高収入を得るための条件やポイントがお分かりいただけたと思います。高収入の職場である「大学病院や公立病院」、「美容外科クリニック」、「有料老人ホーム」の中から、「夜勤手当」や「ボーナスの支給実績」、「昇給の有無」にこだわって求人を探すと、満足できる高収入を得ることができるはずです。
ただ、高収入にこだわりすぎて、そのほかの条件である年間休日や有給消化率、残業時間などを無視すると、「これじゃ高収入だけどつらい!」ということになりかねません。高収入の求人は、収入だけでなくそのほかの条件も踏まえて選んで下さい。
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