[著者: 平野雅子 (看護師 /保健師). more.. ]
最近、看護師の求人に応募する際に、履歴書だけでなく職務経歴書の提出を求める職場が増えてきています。
でも、「職務経歴書とは何?」「履歴書とどう違うの?」「どんな風に書けば良いの?」と疑問に思っている人が多いと思います。
職務経歴書とは、あなたの看護師経験やスキルをアピールするための書類です。
あなたの今までの看護師経験を具体的に記載することで、≪その職場に必要な人材である≫とアピールし、採用に一歩大きく近づくことができるのです。
採用されるかどうかは、職務経歴書にかかっていると言っても過言ではありません。
看護師の職務経歴書の書き方や例文を参考にして、採用になるための職務経歴書を作成しましょう。
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職務経歴書とは何か
職務経歴書とは、あなたの看護師としてのスキルをアピールするための書類です。
職務経歴書をしっかり書けば、それだけ採用してもらえる可能性が高くなります。
職務経歴書は看護師スキルをアピールする書類であるの対し、履歴書はあなたの基本情報を伝えるもので、自己紹介のための書類であるという違いがあります。
職務経歴書 | 看護師スキルをアピールする書類 |
履歴書 | あなたの基本情報・自己紹介のための書類 |
職務経歴書とは
職務経歴書とは、あなたの看護師経験やスキルをアピールするための書類です。
職務経歴書を見れば、採用担当者は「あなたがどんなスキルを持った看護師なのか」がわかるので、即戦力になる看護師か判断することができます。
職務経歴書は「私はこんなスキルを持っています!」とアピールする絶好のチャンスです。
ですから、職務経歴書の提出を求められたら、「面倒くさい」と思わずに、むしろ「アピールできる機会をもらったから、ラッキー!」と思いましょう。
職務経歴書をしっかり書けば、それだけ採用される可能性が高くなりますよ。
職務経歴書と履歴書の違い
求人に応募する時には、職務経歴書のほかに履歴書を提出します。
職務経歴書は≪あなたの看護師スキルをアピールする書類≫で、履歴書は≪あなたが自己紹介するための書類≫という違いがあります。
履歴書は、あなたの住所や年齢、学歴、職歴、長所・短所、通勤時間、志望動機などを書きます。
履歴書を読めば、あなたがどんな人なのか、あなたの基本情報がわかります。
ですから、履歴書を提出することは、あなたが自己紹介するのと同じようなことになります。
職務経歴書は、履歴書の中の「職歴」に焦点を当てて、さらに詳しく自分の看護師としてのスキルをアピールするためのものになります。
職務経歴書は自己アピールのチャンス
職務経歴書は自己アピールのチャンスです。
職務経歴書をどのように書くかで、採用の合否は変わってきます。まさに合否の分かれ目です。
職務経歴書では、看護師の実務能力だけではなく、「仕事へ姿勢」や「自己分析能力」、「プレゼン能力」などをアピールできますので、それを意識して職務経歴書を作成しましょう。
あなたの看護師としての経歴はすべてアピールポイントになります。
具体的にどんな経験して、どんなスキルを持っているかをアピールすることで、採用担当者に「この看護師さんを採用したい」と思ってもらえます。
職務経歴書でアピールできること
職務経歴書は、あなたの看護師スキルをアピールするための書類です。
どんな職場でどんな経験を積み、どんなスキルを持っているのかを職務経歴書でアピールします。
ただ、職務経歴書でアピールできるのは、看護師としてのスキル・実務能力だけではありません。
そのほかの面もアピールできるのです。
- 看護師としての実務能力
- 仕事への姿勢
- 自己分析能力
- プレゼン能力
職務経歴書は、これだけのことをアピールすることができます。
一般的に、仕事への姿勢が熱心であり、自己分析能力やプレゼン能力が高い人は、仕事ができることが多いです。
そのため、採用担当者は看護師としての実務能力以外に、仕事への姿勢や自己分析能力、プレゼン能力も重視するのです。
あなたの経歴は全てアピールポイントになる!
看護師経験が浅い人や特別なスキルを持っていない人は、「職務経歴書でアピールすることがない…」と悩むかもしれません。
でも、あなたの看護師としての経歴はすべてアピールポイントになりますので、悩む必要はありません。
例えば
難しく考えることはありません。
あなたの今までの経験は、すべてアピールポイントになりますので、職務経歴書でしっかりアピールするようにしましょう。
職務経歴書は具体的に書いてアピールしよう
職務経歴書では、あなたの経験やスキルを具体的に書く必要があります。
具体的に、あなたの看護師としての実務能力をアピールすることで、採用担当者に「この看護師さんを採用したい」と思ってもらえるのです。
だから、ただ単に「今までどのくらいの期間、どんな職場で働いてきたのか」を書くのではなく、その職場でどんなスキルを身につけ、どんな経験をしたのかを具体的に書くことが大切です。
そして、「私を採用すれば、貴院にこんなメリットがあります。貴院に貢献できます」とアピールすることで、採用担当者の興味を引くようにしましょう。
例えば、次のようなことはしっかり書いておきましょう。
- リーダー業務経験
- プリセプター経験
- 係や委員会の経験
- 看護研究やケーススタディの経験
- チームリーダー経験
例えば、循環器内科病棟で働いていた2人の看護師がいたとします。
この2人の看護師は、循環器看護の習得スキルに多少の差はあれど、基本的に循環器病棟ではどこでも同じような仕事をしますので、ライバルの看護師と大きな差つけることはできません。
でも、これらの経験を具体的に書いておくことで、プラスαのスキルアピールすることができるので、採用担当者の興味を引いて、「採用したい」と思ってもらえるのです。
職務経歴書の書き方
職務経歴書を書く時には、次の3つの手順を踏むと、スムーズにできると思います。
- 情報収集を行う
- 職務経歴書の形式を決める
- パソコンで作成する
職務経歴書はノープランで書き始めると、必ず失敗します。
書く前には、それなりの準備をしておかなくてはいけません。
情報収集を行う
職務経歴書を書くためには、まずは情報収集を行いましょう。
情報収集は
- あなた自身に関する情報収集と
- 職務経歴書を提出する転職先
の2つの情報収集を行う必要があります。
自分に関する情報収集
自分に関する情報収集とは、今までの看護師経歴を思い返してみることです。
箇条書きで良いですから、「どんな職場でどんな経験をした」か、「どんな業務内容だったか」を書き出してみましょう。
- 日常的な業務内容
- 取得した資格や参加した研修
- 職場で担当した係や委員会、役割
これらのことを書き出してみると、自分の経験したことをハッキリと認識できます。
また、特にどんなことをアピールすれば良いのかが見えてきます。
「これは職務経歴書に書くべきことかな?」と悩むようなことでも、とりあえず情報収集の段階では、どんどん書き出してみましょう。
そして、あとから取捨選択すればOKです。
もし、あなたが看護師になる前・なった後に、看護師以外の仕事(正社員)をしたことがあるなら、それも職務経歴書に書くべきです。
看護師以外の仕事で得たスキルでも、看護師の仕事に活かせるものはたくさんありますので、看護師以外の職務経歴もきちんと書き出しておきましょう。
転職先に関する情報収集
転職先に関する情報収集も、しっかりやりましょう。
職務経歴書では「貴院に貢献できます」とアピールします。
つまり「転職先が必要としている人材である」ことをアピールするために、転職先が「どんな職場」で、「どんな人材を欲しているか」を知らなければなりません。
自分では自己アピールをしているつもりでも、転職先では「そのような人材は必要としていない」という場合、それは自己アピールにはなっていません。
ですから、転職先はどんな看護師を必要としているのかをよく調べる必要があるのです。
看護師経験が浅く、職務経歴に自信がないという看護師でも、この転職先に関する情報収集を行っておけば、自己アピールの欄で、最大限、自分がいかに「必要とする人材であるか」をアピールできます。
職務経歴書の形式を決める
次に、職務経歴書をどんな形式で書くのかを決めましょう。
職務経歴書の形式は、次の2つがあります。
- 編年式
- キャリア式
編年式は時系列に沿ってまとめたもので、キャリア式は業種ごとにまとめた形式になります。
基本的に、看護師は編年式で書くと書きやすいと思います。
もし、看護師以外の業種を複数経験している場合は、キャリア式で職務経歴書を書くと良いでしょう。
パソコンで作成する
情報収集を行い、形式を決めたら、いよいよパソコンで作成します。
職務経歴書は、書くべき項目がいくつかありますので、その項目に沿って書いていきましょう。
また、見本を掲載しますので、見本を参考にして職務経歴書を作成すると、スムーズにできると思います。
職務経歴書の項目
職務経歴書に書くべきことを項目別にまとめてみました。
1. 表題 |
「職務経歴書」と最上部の中央に大きく記載。 |
2. 日付 |
提出日を記載。郵送の場合は投函日、持参する場合は持参日。西暦か和暦かは、職務経歴書内で統一。 |
3. 名前 |
パソコンで作成する場合も、名前だけは自筆で署名することが一般的。 |
4. 職務経歴 |
勤務していた時期、施設名(診療科目、病床数)、配属部署を記載。仕事内容や実績はわかりやすく簡潔にまとめる。 |
5. 取得資格 |
持っている資格を取得時期と共に正式名称で記載。 |
6. 自己アピール |
長所や強み、入職後にやりたいこと、仕事への姿勢や意欲などを記載。ワードやエクセルなどのPCスキルがあれば、ここでアピールしてもOK。 |
職務経歴書のテンプレート
職務経歴書のテンプレートはこちらです。
職務経歴書
20**年*月*日
氏名:看護 花子
経歴要約
〇年間、○○大学病院の救命救急センターに勤務し、初療対応や重症集中ケアの経験を積みました。その後、〇〇病院の脳神経外科病棟に勤務し、リーダー業務やマニュアル作成などの業務を行いました。
職務経歴
20**年*月~20**年*月 |
○○大学病院(脳神経外科、循環器内科、消化器内科、心臓血管外科、整形外科、小児科、産婦人科ほか 815床) 救命救急センターに配属 ・三次救急搬送の初療対応
|
20**年*月~20**年*月 | 医療法人○○病院(脳神経外科、神経内科、循環器内科、消化器内科 420床)
脳神経外科病棟に配属 ・オペ前後の看護 |
取得資格
20××年3月 看護師免許
20××年3月 保健師免許
20××年12月 普通自動車一種免許
自己アピール
救命センターでの経験やマニュアルを作成しましたので、急変時でも冷静に対応できる自信があります。
急性期看護の中でも特に脳外科の看護に興味があり、経験を積んでまいりました。その経験を貴院で生かし、急性期だけではなくリハビリ期の脳外科の看護も学んでいきたいと思っております。
PCは看護研究や勉強会で使いましたので、ワード、エクセル、パワーポイントは基本的に使うことができます。
と、このような感じです。
これは、あくまでサンプルですので、あなたの経歴に合わせて作るようにしましょう。
こんな職務経歴書は採用担当者に嫌われる
職務経歴書を作成する前に、採用担当者に嫌われる職務経歴書ワースト5の特徴を知っておきましょう。
- ダラダラと長い
- 読みづらい
- 修正液を使っている
- 誤字脱字が多い
- 履歴書と同じ内容しか書かれていない
こういった職務経歴書は、どんなに良い内容を書いていても、きちんと読んでもらえないことが多いです。
また、あなたと言う人に興味を持つ前に、採用担当者のモチベーションが落ちてしまうので、不採用になる確率が高くなってしまいます。
ですから、この5つに注意して職務経歴書を作成するようにしましょう。
ダラダラ長い
ダメな職務経歴書の特徴の1つ目は、ダラダラ長いことです。
職務経歴書はA4用紙1枚、多くても2枚に収めなくてはいけません。
また、経歴を書く文章も簡潔明瞭に書く必要があります。
採用担当者に、めいっぱいアピールしようと思って、あなたの経歴をダラダラと長く書いて、A4用紙4~5枚になる超大作の職務経歴書を作っても、それは逆効果です。
忙しい採用担当者は、あなたの職務経歴書を読むのに、そんなに時間をかけていられません。
だから、A4用紙1枚に簡潔にまとめるようにしましょう。
読みづらい
職務経歴書は、読みやすさを重視しなければいけません。
読みづらい職務経歴書は、最後まできちんと読んでもらえない可能性が高いです。
読みやすさを重視するために、できればパソコンを使って、職務経歴書を作りましょう。
手書きの場合は、丁寧に読みやすい字で書くことを心がけてください。
採用担当者にあなた自身をアピールするための書類です。
あなたは書類を手に取って、パッと見た瞬間に「読みづらい」と感じたら、熱心に読もうと思いますか?
「読みたくないなー」と思ってしまうのではないでしょうか。
採用担当者に「読みたくない」と思われてしまったら、その時点でアピールは失敗です。
一生懸命に書いた職務経歴書を最後まで熱心に読んでもらうためにも、読みやすさにこだわって職務経歴書を作ってください。
履歴書は、あなたという人が「どんな人物なのか」を分ってもらうためにも手書きが基本になります。
しかし、職務経歴書は読みやすさを最重視するので、パソコンを使って作成することをおすすめします。
修正液を使っている
職務経歴書に修正液を使うのは絶対にNGです。
手書きで職務経歴書を書いた場合、書き損じをした時に修正液を使ってしまうと、採用担当者は「社会人としての常識がない」と感じますので、それだけで不採用になる可能性があります。
パソコンで作成した場合は修正液を利用することはありませんが、手書きの場合は書き損じたら、修正液を使わずに、新しい用紙を用意して、最初から書き直すようにしてください。
誤字脱字がある
職務経歴書に誤字脱字があると、それだけで大きなマイナスになります。
誤字脱字が1ヶ所でもあると、どんなに素晴らしい経歴だったとしても、印象はよくありませんし、信頼性は低くなります。
誤字脱字は、職務経歴書を書いた後に、自分で何度か確認することで防ぐことが可能です。
パソコンのモニターで2回、プリントアウトした後に1回、確認するだけで誤字脱字をほぼ見つけられるでしょう。
履歴書と同じ内容しか書かれていない
職務経歴書と履歴書が似たような内容になっている人は、採用担当者に良い印象を持ってもらえません。
「職務経歴書が何かわかっていない」と思われてしまうのです。
職務経歴書はあなた看護スキルをアピールするものです。
ただ単に、履歴書の職歴と同じようなことを書くだけでは、職務経歴書を提出する意味がありません。
先ほども説明していますが、職務経歴書と履歴書は違う目的の書類です。
職務経歴書は、具体的な業務内容や持っているスキルなどを記載しなければいけません。
送付時のマナー
最後に、職務経歴書を送付する時のマナーについて確認しておきましょう。
職務経歴書を送付する時には、社会人としてのマナーを守って送付しなければいけません。
社会人としてのマナーを守らずに送付すると、採用担当者に悪印象を持たれてしまいます。
逆に、「添え状をつける」など、社会人としてのマナーを守って送付すれば、常識があって、礼儀正しい人」と思ってもらえますので、ブランクがあったり、経験が浅いなどのマイナスポイントをカバーすることができるのです。
就職先や取引先などに書類を郵送する場合、必要書類と共にこの添え状を一緒に入れるのがビジネスマナーになります。
職務経歴書や履歴書を送付する時には、必ず添え状を同封してください。
平成××年××月××日
医療法人〇〇病院
人事部採用ご担当者様
〒OOO-OOOO
東京都中央区OOO 1-1-1
電話番号:03-▲▲▲▲-▲▲▲▲
携帯電話:090-△△△△-△△△△
看護 花子
応募書類の送付につきまして
拝啓 貴院におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴院の中途採用に応募させていただきたく、下記書類をお送りいたします。ご検討の上、面接の機会をいただけたら幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
・履歴書 1枚
・職務経歴書 1枚
・看護師免許の写し 1枚
・健康診断書 1枚
以上
- A4用紙が折らずに入る白の封筒を用意する
- 職務経歴書が折れないようにクリアファイルに入れて封筒に入れる
- 同封した書類を記載した添え状をつける
- 上から添え状、履歴書、職務経歴書、その他指定の書類の順に重ねる
- 郵便局の窓口から郵送する
事前に送付せずに、面接時に直接持参する場合は、添え状の必要はありませんが、その他のマナーは守るようにしましょう。
まとめ
職務経歴書は、あなたの看護師としての経験やスキルをアピールして、採用へ大きく一歩近づけるための重要なものです。
職務経歴書を作るのは、正直面倒くさいと思うかもしれません。
でも、職務経歴書を作成すると、自分の強みや長所を自分で再確認することもできます。
自分の強みや長所を再確認できれば、自分のアピールポイントがわかりますので、面接時にもしっかりアピールすることができます。
そうすれば、職務経歴書と面接のダブルでアピールできますので、さらに採用が近づきます。
面接前に内容をもう一度確認するためにも、職務経歴書は提出前に必ずコピーを取っておいて下さい。
採用してもらうために、職務経歴書は見やすく、そしてわかりやすく書いて、しっかり自己アピールしましょう。
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更新:2018/03/04
コメント
[…] なたの身分やプロフィールを書く書類ですが、職務経歴書はあなたの看護師経験やスキルをアピールする書類”(「失敗しない!看護師の正しい職務経歴書のカンタン書き方」より引用) […]
[…] 職務経歴書については、「失敗しない!看護師の正しい職務経歴書のカンタン書き方」を参考にしてください。 […]